蓄電池の基礎知識!種類や用途は?

2018年に発生した西日本豪雨、そして北海道地震、熊本地震、大阪北部地震など自然災害を受けて蓄電池への関心が高まっています。

これまでは大手企業が施設に導入していましたが、近年では住宅用蓄電池も開発されたことにより一般家庭の住宅にも導入されてきています。

では、そんな蓄電池とはどういったもので導入目的や種類、仕様はどんなものなのでしょうか?

今回は、蓄電池の基礎知識についてご紹介させていただきます。

蓄電池とは?

そもそも蓄電池とは何なのでしょうか?

蓄電池は一回限りではなく何回でも充電することで繰り返し使えるものです。
しかし一口に蓄電池といっても何種類かあり、大きく分けて

・家庭用蓄電池

・産業用蓄電池

の2種類があります。

家庭用蓄電池と産業用蓄電池の大きな違いは「蓄電容量」です。

産業用蓄電池はオフィスや事務所、工場などに向けて設計されているため家庭用蓄電池よりも容量が数十倍になります。

もちろん容量が大きいことから家庭用蓄電池よりもサイズも大きくなり、住居には設置できないような大きさです。

一方、家庭用蓄電池は住居に設置するためにコンパクトな設計です。

蓄電池の目的は?

蓄電池が注目される近年ですが、その目的をまとめたいと思います。

電気代節約

1つ目は「電気代節約」という目的。

2019年以降に住宅用太陽光発電の余剰売電期間が終了することから2019年問題とも言われていますが、この発電した電力が安くでしか売れなくなることから太陽光発電システムを蓄電池に貯めて自給自足で消費するというニーズが高まっています。

安い夜間に電力をため、電気料金が高くなる昼間に貯めた電気を使って電気代を節約するという用途もあります。

一般家庭の災害対策

2つ目は「一般家庭の災害対策のため」です。

日本各地で発生する地震や台風などの自然災害を経験したことから防災意識が高くなりました。

これにより、蓄電池を貯めて電気として使うことができる蓄電池が注目。

病気を抱えた方や小さな子供がいる家庭にとっては、特に電気は重要なライフライン。

このもしもの時のために備えるために蓄電池が導入されるようになりました。

事業継続計画対策

3つ目は「事業継続計画対策」。

これは多くの企業が蓄電池を検討するときの目的としています。

2018年にあった西日本豪雨を始め、熊本地震や大阪北部地震などの自然災害を受けて多くの企業がBCP対策(→テロや自然災害、大火災などの事業継続のための計画)の見直しを考えました。

大きな自然災害が多く発生するいま企業は非常用電源を確保することが大きな課題となっており、非常時に企業を継続させるための環境を整え、避難所としても機能するように考えるというケースがあります。

学校やオフィス、大きな商業施設ではこういった産業用蓄電池が導入されており、停電に備える企業が増えています。

蓄電池の種類

蓄電池にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴も異なります。

ここでは、

・単機能型蓄電設備

・ハイブリッド型蓄電設備

・トライブリッド型蓄電設備

・スタンドアローン型蓄電設備

の特徴をご紹介します。

単機能型蓄電設備

蓄電池とパワーコンディショナーで構成された設備。

太陽光発電システムと併用する場合は、一定のスペースが必要ですから事前に設置予定場所の採寸が必須です。

ハイブリッド型蓄電設備

太陽光発電用パワーコンディショナーと蓄電用パワーコンディショナーを一体型にしたのがハイブリッド型蓄電池。

スペースをあまり取らないことと、太陽光パネルで発電した電力を直流で蓄電池に貯めることができ効率的です。

このように発電ロスが少なく、効率的に電力を使えることで注目を浴びています。

また、太陽光発電システムと蓄電システムを併用で設置する家庭に需要が高くなっています。

トライブリッド型蓄電設備

電気自動車の需要の高まりで注目されているのが、トライブリッド型蓄電池です。

これは、太陽光発電用と蓄電用、電気自動車用のパワーコンディショナーが一体になった設備。

発電の電力を電気自動車に使うことができるので、電気自動車を所有しているまたは検討している方に需要が高くなっています。

スタンドアローン型蓄電設備

スタンドアローンは自立、独立などといった意味を持ちます。

スタンドアローン蓄電池には、パワーコンディショナーが必要ないのが特徴でコンセントから充電し分電盤に接続するだけなので工事も簡単だと言われています。

仕様について

蓄電池には複数種類あり、それぞれメリット・デメリットもあり用途も異なります。

蓄電設備は蓄電池とパワーコンディショナーから構成されますが、特に決め手となるのは「容量」。

電力を蓄えるための蓄電容量は、重視したい点でこの容量によってはサイズも設置場所も異なってきます。

また災害対策として導入するならば、いざというときにどれだけの家電製品がどれだけの時間使えるのかということも計算しておくことが大切になってくるでしょう。

まとめ

蓄電池は電気を蓄えて何度も繰り返し使えるものです。

そんな蓄電池にも様々な種類があり、

・単機能型蓄電設備

・ハイブリッド型蓄電設備

・トライブリッド型蓄電設備

・スタンドアローン型蓄電設備

など用途によっては蓄電容量ややサイズ、設置場所も変わります。

まずは自分にはどの蓄電設備が合うか検討すると良いでしょう。